「集中豪雨」や「ゲリラ豪雨」ということばをニュースで聞くようになりました。
降り続く雨によって甚大な被害をもたらす災害になることもあれば、短時間に降った大量の雨で被害が出ることもあります。
河川の氾濫の危険などで、避難指示が発令されることもある集中豪雨。
家族に避難時に介助を必要とする「避難行動時要援護者」がいる場合、どのように情報を集め避難を判断できるでしょうか?
集中豪雨に備えてできる対策、避難行動要支援者とともに避難する際のポイントについてもご紹介いたします。
そもそも集中豪雨の原因とは何かという点からご解説してまいります。
集中豪雨の原因とは?
集中豪雨の原因は、梅雨前線・秋雨前線・台風などです。狭い範囲に短時間で大量の雨が降るため、「集中豪雨」と呼ばれています。
集中豪雨による局地的な大雨は河川の氾濫による洪水・土砂災害を引き起こすことがあります。
住宅などの建物の浸水や道路の冠水によってライフラインが寸断され、甚大な被害をもたらすのです。
集中豪雨の特徴について知る
集中豪雨が発生しやすい状況は以下のような条件の場合です。
- 梅雨前線や秋雨前線が日本付近に停滞し、長期間雨が降り続く
- 台風の移動速度が遅く停滞している
- 1時間あたりの降水量が50mmをこえて降り続く
- 大気の状態が不安定で、積乱雲により空が急に暗くなる・雷が鳴る
- 大粒の雨やひょうが降る
- 地形の影響で積乱雲が狭い範囲で発生・発達を繰り返す
大雨や洪水に関する警報が出されるため、気象情報・災害情報をよく見ておきます。
「防災気象情報」と「警戒レベル」を知って避難行動要支援者と自分の命を守る
2021年5月に、災害時の避難情報が改定されました。
この部分では新しい情報をどのように活用して、災害時に避難行動要支援者と自分の命を守れるかご解説してまいります。
「防災気象情報」とは、国や都道府県等が発表する情報
「防災気象情報」は、国や都道府県等が発表する情報です。
市町村が避難情報を発令するための判断を支援することに加え、住民が避難行動をとるための”状況情報”の目的があります。
「警戒レベル相当情報」は国土交通省、気象庁、都道府県等が発表する防災気象情報の一部です。
混乱しそうですが、「防災気象情報」に含まれるので、国や都道府県等が発表するものに含まれます。
「警戒レベル」とは市町村から発令される情報
「警戒レベル」は、市町村から発令される情報です。
気象庁や河川・砂防部局からの情報をもとに警戒レベルの数値と避難指示が発令されます。
「警戒レベル」は住民に行動を促す情報という意味で、国や都道府県が発表する「警戒レベル相当情報」より強く受けとめるべき情報です。
警戒レベルについて
避難行動要支援者や高齢者とともに避難する場合は、「警戒レベル3」で安全な場所への移動を開始します。
警戒レベルが1~2のうちにハザードマップ・避難経路の安全を要支援者とともに再確認しておいてください。
集中豪雨により災害が発生しそうな場合、各自で情報を集め自主的に避難を判断することが必要です。
避難指示が発令されていれば直ちに避難を検討します。
また市町村から避難指示が発令されていなくても「防災気象情報」を参考に、自宅が危険だと判断した場合は避難行動をとることができます。
立ち退き避難とは?
立ち退き避難とは、自宅を出て避難することです。
指定された避難所や安全性の高い親戚・友人宅に避難することも含まれます。宿
泊料が必要ですが安全なホテルに泊まるのも、避難行動要支援者とともに避難する際におすすめの方法です。
特にハザードマップで「氾濫想定区域」や「土砂災害警戒区域」に、自宅が含まれている場合は立ち退き避難を選択しましょう。
地震発生時の津波と比べると、集中豪雨は予想しやすい水害といえます。
立ち退き避難を積極的に検討しますが、大切なのは命を守ることです。
避難所より自宅マンションのほうが高い位置にある、食料や水の備えが十分にある等、安全の条件が揃っていれば自宅避難で安全を確保してください。
集中豪雨に備えてできる対策
大雨の予報は数日前からニュースで取り上げられます。
早めにできる対策に取り組むことで被害を最小限にとどめることが可能です。
家の外からの対策で浸水を予防する
雨が降りはじめてからでは作業しづらくなるので、屋外の対策からとりかかります。
- 側溝・排水口の掃除をして水はけを良くしておく
- 玄関先に土のうを積んで水の侵入を軽減する
- 雨戸があれば閉める
- 風が強くなることもあるので飛ばされそうなものは屋内へ
- 物干し竿を降ろしておく
家の中の対策で被害を最小限に抑える
雨水が大量に下水管に流れ込み、排水機能を上回ると家の中でも水があふれることがあります。
ライフラインが寸断される可能性もあるため、備えは大切です。
- 水のうを作り、トイレ・風呂場・洗濯機の排水口をふさぎ逆流を防ぐ
- 非常用品の確認 非常用トイレ・懐中電灯・乾電池式ラジオ・非常食・飲料水など
- 浴槽やバケツに水を張り断水に備える(生活用水として使用)
- ガスが止まった場合に備え、カセットコンロとボンベの準備
避難する場合も、トイレや排水口からゴボゴボ音がする場合は水のう対策をしておくと、下水の逆流による被害を最小限にとどめることができます。
集中豪雨に備えて避難行動要支援者と避難する場合のポイント
「防災気象情報」と「警戒レベル」の情報に加えて自宅周辺の情報を知ることが、早めの避難につながります。
避難行動要支援者との避難は情報を取り入れ総合的に判断する
市町村から避難指示が発令されている場合は、すみやかに従います。
その他にも判断に役立つ情報源があります。
- テレビ・ラジオ
- 気象庁「キキクル」ブラウザでもアプリでも閲覧できます
- 気象庁 降水ナウキャスト(雨雲の動き)
- 気象庁 防災情報
- 国土交通省 川の防災情報
- 国土交通省 ハザードマップポータルサイト
予想される降雨量や河川の危険度を知り、避難のタイミングを決めます。
ハザードマップについては以下の記事をご参照ください。
避難行動要支援者との避難は日中のうちに
暗くなると路面の状況が分かりづらくなります。
夜中に大雨に襲われる危険性が予測されていれば、避難指示を待たず日中のうちに、避難行動要支援者とともに避難すると安全です。
日中も道路が冠水すると、道路と側溝の境目がわからなくなります。
普段歩き慣れた道でも、大雨のためにマンホールのフタが浮き上がっている可能性もあり移動は危険です。
すでに浸水が始まっている場合は、自宅にとどまっている方が安全です。
無理に大雨の中避難まで移動するよりは、自宅の2階以上や近くの高い建物への一時的な避難を検討します。
まだ大雨が降り始めておらず、避難行動要支援者とともに避難が可能な場合は以下の点を参考にしてください。
- 電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を締める
- 戸締まりを忘れない
- 動きやすい服装の上に、レインコートを着る(上下分かれている方が動きやすい)
- 軍手・ヘルメットを着用する
- スニーカーなど、脱げにくい靴を履く(長靴は水が入ると脱げやすいためNG)
- 山のそばの道路などがけ崩れ・土石流のおそれのある道は通らない
- 水たまりがすでにできているところでは傘・杖を使って路面を確認する
避難行動要支援者の状況や、自分が介助しきれるかも考慮します。
近所の人とグループで避難すると助け合いながら避難できるので、声をかけてみるのもいい方法です。
まとめ:集中豪雨に備える!避難行動要支援者と避難するために必要な知識
この記事では集中豪雨に備えるため、以下の点を考えました。
- 集中豪雨の特徴
- 「防災気象情報」と「警戒レベル」について
- 集中豪雨に備えてできる屋内外の対策
- 避難行動要支援者と避難する場合のポイント
どの災害に関しても共通することですが、日頃から自宅周辺の浸水や土砂災害が起こりやすい場所をハザードマップで確認しておくことが大切です。
避難所と避難経路も確認して、大雨の中でも避難行動要支援者とともに避難が可能か、シュミレーションしておくことをおすすめします。
最新の気象情報や氾濫の危険性に関する情報を取り入れ、自分と家族の命を守りましょう。
土砂災害のときの避難についてはこちらの記事をご参照ください。
台風の時の避難についてはこちらを参照ください。
地震のときに避難についてはこちらの記事をご参照ください。
災害時の全体的な備え方についてはこちらの記事をご参照ください。
非常食を選ぶとき、「尾西の白飯」の実食レポはこちらをご覧ください。
自宅避難するための停電対策についてはこちらの記事をご参照ください。
自宅避難をするための断水対策についてはこちらをご覧ください。
ウォーターサーバーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
非常持ち出しリュックの準備がまだの方はこちらをチェック!!
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