台風は毎年日本に接近・上陸しています。「大型台風」と呼ばれるものや、進路の予測が立ちにくい独特の台風が増加しているのも近年の特徴です。
台風の時に避難行動要支援者とともに避難するため、何を心がければよいでしょうか?
避難のタイミングにも迷うものです。
この記事では避難行動要支援者とともに避難するためのポイント、災害発生前にできることについてご解説してまいります。
避難行動要支援者とともに避難するためのポイント
台風の接近がわかっているときには、テレビやスマートフォンを使って最新の台風情報を入手し、避難を的確に判断することがポイントです。
どんな情報に注意して、避難の準備をすすめるか再確認します。
台風のときの避難を判断するには情報が不可欠
台風の時には以下の情報に注意します。
- 台風情報(進路予想・大きさ・風の強さ・予想降雨量など)
- 注意報・警報・特別警報
- 警戒レベル・避難情報
①台風情報から避難のタイミングを判断する
台風の進路予想や大きさから、自分の住んでいるエリアにどれほどの影響が予想されるか想定します。
風の強さは、避難するかどうかを判断する際に重要です。
気象庁が発表している「雨の強さと降り方」「風の強さと吹き方」の情報を参考にすることができます。
このページでは図が見にくい場合、こちらの気象庁のページでPDF版をご覧いただけますので、ご参照ください。
②台風に関する注意報・警報・特別警報に注意する
「特別警報」が平成25年8月30日から運用されるようになりました。
特別警報とは、警報の発表基準をはるかに超える大雨が予想され、重大な災害の起こるおそれが著しく高まっている場合に発表されます。
最大級の警戒を呼びかけるものです。
気象庁はこのように警告しています。
特別警報が発表された場合、お住まいの地域は数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況にあります。この数十年間災害の経験が無い地域でも、重大な災害の起こるおそれが著しく高まっていますので、油断しないでください。
気象庁ホームページより
③警戒レベル・避難情報に従って避難行動要支援者とともに避難を開始する
市町村から発表される「警戒レベル」がレベル3になったときは、避難を開始します。
避難に備えて事前にハザードマップで、安全な避難経路を選んでおきます。
川や用水路の近くは急に増水する可能性があり危険です。
日頃から安全を意識しておくと、避難行動時要支援者とともにスムーズに移動しやすくなります。
高齢の避難行動要支援者には避難の情報提供が必要
国土交通省が平成17年12月に実施した意識調査があります。
その調査で浮き彫りになったのが、以下の点です。
- 高齢者は居住地域における、自然災害の危険がある場所・避難経路・避難場所に関する情報を把握している割合が比較的高い。
- 高齢者のうち約3割強は居住地域における自然災害の危険がある場所を知らず、約2割強が避難経路・避難場所のどちらかを知らない状況にある。
長年そのエリアに住んでいて、大きな災害を経験することがなければ「大丈夫だ」と考えてしまいます。
避難のタイミングを逃さないように、家族は最新の情報を提供することが必要です。
遠距離に災害時行動要支援者の親が住んでいる場合は、積極的に避難するよう声をかけることができます。
ふだん情報源としてテレビやラジオを活用している場合、災害時にはインターネットが使える場合と比較して、情報が限られてしまうことがあります。
近くに危険が迫っていることがわかったら、情報をシェアして避難行動に移りましょう。
台風接近までにできる対策
台風が発生してから、日本に接近してくるまでには時間の余裕があります。
早めに自宅周りの片づけや、備蓄の確認を済ませるのが大切です。
台風の接近に備えて自宅の安全対策を行う
雨や風の変化を感じるまで待たずに、作業にとりかかります。
側溝・排水溝に落ち葉や枝が落ちていると水はけが悪くなり、冠水のリスクが高まり危険です。
きれいにそうじしておきます。
風で飛ばされそうなもの・植木鉢・物干し竿も片付けましょう。
以下の絵を参考に、可能な範囲で実施します。(屋根など危険な場合はしないでください)
雨や風が強くなってからでは、外での作業は危険です。屋内の作業に移行します。
非常持ち出しリュックや薬を確認する
非常持ち出しリュックをすぐに持ち出せる状態にしておきます。
メガネ・補聴器・入れ歯・杖など、ないと困るものを忘れずに入れます。
薬も普段飲んでいる処方薬に加え、発作が起こったときに飲むとんぷく薬も必要です。
普段飲んでいる薬の残量がわずかになっているなら、早めに受診して処方してもらいます。
お薬手帳も非常持ち出しリュックに入れておくと、手元の薬がなくなったときに役立ちます。避
難先の薬局で、処方してもらいやすくなるので大切です。
非常持ち出しリュックについてはこちらの記事をご参照ください
電源の必要な医療機器の停電時の確認
台風のときには送電線が切れたり、倒木により停電になることがあります。
電動ベッド・エアマット・人工呼吸器・痰の吸引機について、取扱説明書を再度読んで福祉用具担当者に確認しておくと安心です。
今回この記事を準備するにあたって、わたしが持っているポータブル電源を電動ベッドの高さを昇降させるのに使ってよいかを確認しました。
返答はこうでした。
「弊社ポータブル電源は個人の安全に関連する製品のご利用には適しておりませんため、ご案内ができかねます。医療機器の動作確認・動作保証は致しかねます。また、個人の安全にかかわる使用は免責事項にておやめ頂くよう記載しております。」
市販のポータブル電源ではなく、医療用のバッテリーを確保できるかケアマネージャーに相談してみることができます。
かかりつけ医・訪問看護師・ケアマネジャーなどの連絡先をまとめて記録したものを準備しておくといざというときに落ち着いて行動できるのでおすすめです。
コピーして、非常時持ち出しリュックにも一枚入れておいてください。
ここまで台風接近に備えてできる対策についてご紹介してまいりました。
災害が発生する前に、家族と自分の命を守るためにできることがあります。
避難行動要支援者名簿への登録がまだの場合は申請の検討を
市町村には「避難行動要支援者名簿」の作成が義務付けられています。
この名簿に登録を申請することで、災害時にサポートが得やすくなるのです。
名簿に登録すると、「避難行動要支援者避難支援プラン」が作成されます。
台風は避難を必要とする自然災害の中でも、比較的早めに避難計画を実行しやすい災害です。
作成されたプランを活かした援助が受けやすいので、申請しておいて損にはなりません。
ふだんから避難行動要支援者と地域の防災活動に参加する
ふだんから地域の人と顔なじみになっておくことは、災害時の強みになります。
地域で防災訓練が実施されるときは、避難時行動要支援者とともに参加しておくことをおすすめします。
いざという時一緒に避難したり、家を出るのに手間取っていると様子を見に来てくれるかもしれません。
災害発生時は自分で判断して身を守る「自助」、近隣の人と助け合う「共助」がカギになります。
近隣とのおつきあいも大切にしておきましょう。
まとめ:台風が接近中!避難行動要支援者とともに避難するためのポイントは?
この記事では避難行動要支援者とともに避難するためのポイント、災害発生前にできることについてご解説してまいりました。
避難行動要支援者とともに避難するためのポイントは、最新の台風情報を取り入れて避難のタイミングを見極めることです。
災害発生前にできることもあります。
- 避難行動要支援者名簿への登録を検討する
- ふだんから避難行動要支援者と地域の防災活動に参加する
日頃から防災への関心を持ち、家族と自分の命を守るように心がけてまいりましょう。
非常食を選ぶとき、「尾西の白飯」の実食レポはこちらをご覧ください。
集中豪雨の時の避難行動要支援者との避難についてはこちらを参照ください。
土砂災害のときの避難についてはこちらをご参照ください。
地震の際の避難行動要支援者との避難についてはこちらの記事を参照ください。
自宅避難するための停電対策についてはこちらの記事をご参照ください。
自宅避難をするための断水対策についてはこちらをご覧ください。
ウォーターサーバーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
非常持ち出しリュックの準備がまだの方はこちらをチェック!!
被災者の声をもとに防災士が厳選した防災グッズがセットになっています。女性にも背負いやすい5kgというのが魅力です。どうやったらそんな軽くできるんだろう…。わたしの非常持ち出しリュックはかなり重いうえに、こんなにきちんといろいろ入ってません(笑)
リュックも背負いやすい設計になっており、日本製で耐久性・耐水性の評価も高いと口コミです。
付属のソーラー多機能ラジオは、LEDライト・読書灯・SOSサイレン・SOSライトがついています。
乾電池も使えますが、ソーラーパネルで充電できるのでスマートフォンやUSBケーブル充電ができるので、このラジオだけでも非常事態に役立ちます。
保存水・レトルト食品・アルファ化米の他に割り箸・紙皿なども入っています。食品は一日2食で3日分なので、缶詰のソフトパンなどを買い足して入れておけばバッチリです。
リュックは40Lひとつで大きめなので、セット品を入れても余裕があり必要に応じて追加することができます。
防災のプロがチョイスした非常用グッズに、家族のニーズにあわせてカスタマイズするだけです。