地震は予想していないタイミングで発生します。そのため台風や集中豪雨に比べて、備えにくい災害です。
家族のなかに避難するときに介助を必要とする「避難行動要支援者」がいる場合、地震が来たらどのように対応すればいいでしょうか?
この記事では地震が起こった場合にどのように避難を見極めるか、避難場所へ移動するタイミングとポイントについてご解説いたします。
防災への意識を改めて確認しましょう。
まずは地震発生時にすべきことから考えてまいります。
地震が発生したら自分と避難行動要支援者の身の安全を確保する
揺れを感じたり緊急地震速報の通知が来たら、自分と避難行動要支援者の安全を第一に確保します。
自宅にいるときに地震が発生した場合
避難行動要支援者が介助無しで移動できない場合は、上から布団を被せるなどして、落下物が直撃しないように保護してください。
同時に介助者のあなたの安全確保も必要です。
家具や物の下敷きにならないよう、丈夫なテーブルの下や安全な空間に移動します。
完全に揺れが収まるまでは、安全な場所にとどまってください。
外出時に地震が発生した場合
外出時に地震が発生した場合は、冷静な行動が大切です。
自分と要介護者の頭をカバンや衣服で保護しながら、公園などの広く危険性の低い場所へ移動します。
看板やガラスなどの落下物・ブロック塀から離れることも大切です。
海岸付近にいる場合は、津波の可能性を考慮しすぐに高台を目指して逃げてください。
車の運転中に地震に遭遇した場合は、ハザードランプを点灯させ左に寄せて停車します。
エンジンを切って地震の揺れが収まるのを待ってください。
エレベーター乗車中に地震が発生したら、行先階のすべてのボタンを押し、最初に停止した階で降ります。
地震の揺れがおさまったら津波の可能性を考える
これまで津波が発生したことのある地域では、震度に関わりなく津波が発生する可能性があります。
特に避難行動要支援者とともに逃げる場合は、早めに行動することが大切です。
地震の揺れがおさまったら、周辺の安全を確認します。
- 火の元を確認し、必要があれば初期消火する
- ドアや戸を開放し自宅を脱出する導線を確保
- 屋内で転倒した家具や、飛び散ったガラスを踏まないようスリッパ・靴を着用
- 家の外に出る際は、瓦・ガラスなどの落下物に注意する
自宅内・自宅の外壁にひびが入っていないか、傾いていないかを確認してください。
避難の判断とタイミングとは?
すみやかに避難する必要があるか、自宅で様子を見るかの判断基準として、以下の点を考慮します。
すぐに避難行動要支援者とともに避難すべきとき
- 近所で火災が発生している
- 家屋が損傷している
- 避難勧告・避難指示が発令される
こうした状況ではすみやかに避難する必要があります。
自宅で様子を見ても良い場合
- 自宅の内外をみて建物に損傷がないことが確認できる
- 自宅で生活が可能
ラジオ・テレビ・スマートフォンを活用し、正確な情報を得ながら余震に注意して過ごします。
避難行動要支援者を同行する避難のしかたと危険を避けるポイント
自宅から避難行動要支援者とともに避難するときの注意点と、避難時に二次被害を避けるためのポイントについてとり上げます。
避難場所に避難するときの注意点
避難の準備をする場合に、押さえておくべきポイントは以下のとおりです。
- 電気のブレーカーを切り、ガスの元栓を締める
- 底が丈夫な靴を履き、原則徒歩で避難する
- 非常持ち出しリュックを背負い両手は開けておく
- 要支援者はあれば車いすに乗車する(靴の着用を忘れずに)
- あればヘルメットを着用
- 動きやすい長袖・長ズボン・軍手を着用する
- 戸締まりを忘れない
- 自分だけでは要支援者との避難が難しい場合は近所に助けを求める
- 避難誘導があればそれに従う
非常持ち出しリュックや避難時の服装をあらかじめ準備しておくと、スムーズに避難できます。
非常持ち出しリュックの準備については、こちらの記事をご活用ください。
避難するときに危険を避けるポイント
地震直後は動揺して、危険を見落としやすくなります。
以下のポイントに注意して、ケガなどの二次災害を予防しながら避難してください。
- 余震が発生する可能性があるためブロック塀などには近寄らない
- 車での避難は避ける(逃げ遅れの原因・緊急車両の通行を妨げるため)
- 落下物・切れた電線に注意する
- 停電している場合は交差点で車の往来に注意する
避難行動要支援者の身体機能や精神機能によって、避難するときの難易度が変わります。
近所の方に助けを求めるなど、積極的にサポートを受け入れることが必要な状況です。
日頃から地域の方と良い関係を築けると、こうした非常事態に気兼ねなく援助を求めやすくなります。
都市化が進んでいる地域ほど、近隣の付き合いが希薄になりがちです。
しかし大地震直後は「共助」が何よりの力となります。
家で垂直避難する場合のポイント
避難の必要があっても、要支援者とともに避難することが難しい場合があります。
避難所までの距離が遠い・夜間で移動に危険が伴う・津波の到達時間までに避難が難しいといったケースです。
地震で緊急避難が求められるのは、津波です。
一刻を争う状況になりますので、2階以上への「垂直避難」を行います。
避難行動要支援者が介助があれば階段を登れる場合
避難行動要支援者が階段を登れる場合、以下の手順で階段を登ります。
- 避難行動要支援者に手すりを握ってもらい、一段ごとに両足をそろえて上ります。
- 介助者は避難行動要支援者のすぐ下の段に立ち、転落しないよう支えます。
- 介助者もしっかり手すりを持って、声をかけてタイミングを合わせるのがポイントです。
- 一段一段、確実に2階まで上がります。
浸水が引いて階段を降りるときは、手すりを持って後ろ向きに降りると恐怖心を軽減できます。
このときも介助者は避難行動要支援者の一段下の段に立って、転落を予防してください。
避難行動要支援者が立つことが困難な場合
介助者に力があれば、抱えたり背負って2階に上がる方法があります。
立ち上がりの難しい避難行動要支援者を背負って2階に上がるには、かなりの力が必要です。
介助者がひとりしかいない場合は、無理せず寝たままの状態で電動ベッドの高さを最高位まであげ、浸水が引くのを待ちます。
停電してしまうと電動ベッドの高さを上げることができなくなるので、医療用バッテリーを備えていれば電源を確保できます。
日頃から防災を意識して災害発生時に備える
大地震のときに避難行動要支援者とともに避難する方法を、具体的に考えてきました。
津波のときの避難場所を確認しておくこと、避難場所までの道中の安全を確認しておくことの必要性が理解できます。
自宅の家具を固定したり、寝室に倒れてくるものを置かないようにします。
玄関や窓などの建物からの脱出経路上に、荷物を積み上げると危険です。懐中電灯などの防災用品についても、見直しておきます。
命は失うと取り戻すことができません。
日頃から防災を意識しているのと、全く何も備えをしていないのでは大ちがいです。
備えていれば災害が発生したときに、落ち着いて行動することができます。
避難行動要支援者と自分の命を守るため、対策をして災害に備えましょう。
まとめ:地震発生!避難行動要支援者と避難するタイミングとポイントとは?
この記事では以下の点について考えました。
- 地震が起こった場合にはまず自分と避難行動要支援者の身の安全を確保する
- 避難の判断とタイミングを見極める
- 避難行動時要援護者とともに避難場所へ移動するときのポイント
- 津波に備えて垂直避難する方法
ときどきこの記事を見返して、あなたとご家族の命を守るのに役立てていただければ幸いです。
土砂災害のときの避難についてはこちらの記事をご参照ください
台風のときの避難についてはこちらをご参照ください。
地震の場合の避難についてはこちらの記事をご参照ください。
集中豪雨・洪水のときの避難についてはこちらの記事をチェック
自宅避難するための停電対策についてはこちらの記事をご参照ください。
自宅避難をするための断水対策についてはこちらをご覧ください。
ウォーターサーバーについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
非常食を選ぶとき、「尾西の白飯」の実食レポはこちらをご覧ください。
非常持ち出しリュックの準備がまだの方はこちらをチェック!!
被災者の声をもとに防災士が厳選した防災グッズがセットになっています。女性にも背負いやすい5kgというのが魅力です。どうやったらそんな軽くできるんだろう…。わたしの非常持ち出しリュックはかなり重いうえに、こんなにきちんといろいろ入ってません(笑)
リュックも背負いやすい設計になっており、日本製で耐久性・耐水性の評価も高いと口コミです。
付属のソーラー多機能ラジオは、LEDライト・読書灯・SOSサイレン・SOSライトがついています。
乾電池も使えますが、ソーラーパネルで充電できるのでスマートフォンやUSBケーブル充電ができるので、このラジオだけでも非常事態に役立ちます。
保存水・レトルト食品・アルファ化米の他に割り箸・紙皿なども入っています。食品は一日2食で3日分なので、缶詰のソフトパンなどを買い足して入れておけばバッチリです。
リュックは40Lひとつで大きめなので、セット品を入れても余裕があり必要に応じて追加することができます。
防災のプロがチョイスした非常用グッズに、家族のニーズにあわせてカスタマイズするだけです。