【介護者向け】簡単セルフケア③膝のメンテナンス|動画解説付き

リハビリの先生が教えちゃう 介護者向け簡単セルフケア③膝のメンテナンス

「膝が痛い。」

整形外科を受診するほど痛み続けるわけではないけれど、ふとした時に痛みに悩まされることはありませんか?

もともと体力があまりなく、介護で忙しいのもあって自分が運動するほどの元気がないのです。

自分の体もしんどいけれど、他の家族に介護を代わってもらうこともなかなか難しく、痛みに悩まされながらも介護を続けざるをえないんですよね。

「自分の身体はいつまでもつだろう?」

そんなふうに感じているなら、少しだけ自分の体をいたわってみませんか?

膝を支えている大腿四頭筋は、人間の体の中でも大きな筋肉の一つです。

大腿四頭筋の柔軟性と筋力を向上させることで、関節にかかる負担を軽減することができます。

この記事では動画を見ながら一緒にできる、膝まわりのメンテナンスの方法についてご紹介いたします。

リラクゼーションと簡単な筋力強化運動で、介護の疲れをリフレッシュしましょう。

目次

簡単セルフケアのやり方~膝のメンテナンス~

まずは動画をご覧ください。

この動画では「膝のメンテナンス」として、リラクゼーションと筋力強化運動をご紹介しています。

膝のリラクゼーションの手順は、以下のとおりです。

STEP
膝の前面から太もも前面にかけてのマッサージ

膝蓋骨(しつがいこつ)と呼ばれる「膝のおさら」の動かし方を中心に行います。

介護で支えるときに酷使しがちな、膝下前面外側の筋肉もゆるませます。

STEP
ふくらはぎ・膝うら・太ももの後ろ側のマッサージ

膝うらの筋肉や太ももの後ろの筋肉の柔軟性が失われると。、膝が伸びにくくなります。

押さえると痛みのある場合は、ていねいにゆっくりほぐします。

つづいて、筋力強化運動の手順は以下のとおりです。

STEP
座って行なう膝のばし運動 各10秒 10セット

つま先を自分の体のほうに引き寄せることで、大腿四頭筋をより効果的に強化できます。

STEP
立って行なう後ろ向き足ぶみ運動 各20回

踏み台昇降の踏み台を使わないバージョンです。

前に踏み出すのではなく、後ろに踏みだすのがポイントになります。

同時に腕を大きくふると、全身の血流改善につながります。

STEP
アキレス腱伸ばし 各20秒

運動したあとじっくり筋肉をストレッチすることで、疲労感を軽減し筋肉痛を予防することができます。

このページをブックマークしておいて、ときどき動画を見ながら一緒にやってみてくださいね!

膝のセルフケアで期待できる効果

膝のリラクゼーションと筋力強化運動で、期待できる効果は以下のとおりです。

  • 太もも・膝下の筋肉の柔軟性向上
  • 膝蓋骨の動きを改善
  • 膝を伸ばしきる筋力を獲得
  • 太もも後面の筋力向上

ひとつずつご解説してまいります。

セルフケアで太もも・膝下の筋肉と軟部組織の柔軟性向上

筆者が自分の太ももをどのようにセルフマッサージするかデモンストレーションしている写真。

太ももやふくらはぎには筋肉に加え、軟部組織が存在します。

軟部組織とは骨や軟骨以外の、関節包(かんせつほう)・靭帯(じんたい)・筋膜・脂肪組織のことです。

特に関節包・靭帯・筋膜の柔軟性が低下すると関節の動きが悪くなります。

関節の動きが悪くなっているのに無理やり動かしていると、膝の痛みにつながることがあります。

ぜひ筋肉や軟部組織の柔軟性を向上させて、膝の痛みを予防してまいりましょう。

セルフケアで膝蓋骨の動きを改善

筆者が膝蓋骨の動きの引き出し方をデモンストレーションしている写真。膝蓋骨を両手の親指と人差し指で捉えている様子。

あなたはこれまで、ご自分の膝蓋骨を意識して動かしてみたことがおありでしたか?

膝の「はまぐり」はすぐに見つけられたでしょうか?(笑)

膝蓋骨は、膝の曲げ伸ばしとともに移動します。

スムーズに膝蓋骨が移動することで、痛みなく大きな筋力を発揮できるようにするのが役目です。

もし膝蓋骨が膝の曲げ伸ばしに伴ってうまく移動しなければ、十分な筋力を発揮することができなくなります。

筋力がうまく発揮できないことで、痛みにつながるケースもあります。

膝のトラブルを回避するため、しっかり膝蓋骨が動くように維持・改善を目指していきましょう。

セルフケアで膝を最後まで伸ばしきる筋力を獲得

座って左膝を伸ばす筋力強化運動のデモンストレーション写真。つま先を自分の方へ引き寄せて効果的に大腿四頭筋を強化している。

膝の痛みで悩まされている方の多くは、膝を伸ばしきる筋力が低下しています。

筋力が落ちて、膝をしっかり伸ばしきることができません。

結果として中途半端な伸ばし角度で、体重や介助者の重みを支えることになり、さらに痛みが強くなることもあります。

膝を伸ばしきる力をつけると、膝の動きが安定します。

この筋力がつくだけで、軽い膝の痛みは改善する場合もありますので、膝伸ばし運動をぜひお試しください。

セルフケアで太もも後面の筋力向上

後ろ向きに足ぶみをしているデモンストレーションの写真。

後ろ歩きをする機会は、生活の中でなかなかないと思われませんか?

後ろへの足ぶみをすることで、太もものうらの筋肉を鍛えることができます。

太もものうらの筋肉は、膝のコントロールの役目をするので大切です。

太もものうらの筋肉の柔軟性を向上させると、スムーズに足を踏み出せます。

逆に太もものうらの筋肉の柔軟性が低下していると、膝を伸ばすタイミングでブレーキが掛かることになり、関節の動きが悪くなるんです。

後ろ向きに足ぶみをして、太ももうらの筋肉の血流を良くし、柔軟に使える筋肉に育てましょう。

まとめ:簡単セルフケア③膝のメンテナンス

この記事では動画を見ながら一緒にできる、膝まわりのメンテナンスの方法についてご紹介してまいりました。

膝のメンテナンスで期待できる効果は、以下のとおりです。

  • 太もも・膝下の筋肉の柔軟性向上
  • 膝蓋骨の動きを改善
  • 膝を伸ばしきる筋力を獲得
  • 太もも後面の筋力向上

膝のセルフメンテナンスで、あなたの膝の痛みが軽減できれば幸いです。

痛みによっては整形外科の受診が必要な場合もありますので、専門医にご相談ください。

この記事の情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

セルフメンテナンスについて、こちらの記事もご参照ください。

足先のリラクゼーションについてはこちら

足先の筋力強化についてはこちら

リハビリの先生が教えちゃう 介護者向け簡単セルフケア③膝のメンテナンス

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